2014夏だより『子供の声が聞こえる寺』
更新日: 2014年09月02日
わが善正寺は門徒数も少なく、お墓もない小さなお寺。門徒さんと心で繋がるしかその存在意義はない。
40年前に在家から寺に嫁いだ私。お寺のこと、お経、作法・・何も知らずに始めた日曜学校。過去に教師経験があるとはいえ、先ず子供と接することで、地域の人々と繋がることを目指した。いやそんな大それた野望(?)などない。子育てや介護をしながら外に働きに出る勇気も能力もなかっただけ。
周囲に子供が多かった時代は、100人以上の子供を集めて、カレーパーティ、人形劇の集い、花祭り、夏休みキャンプなど多彩な行事を企画した時代もあった。
あれから40年、少子化の波は地方にも押し寄せた。私自身も前期高齢者の仲間入り。大きな行事を企画するだけの体力、気力も無くなった。それならば毎日夕方5時の鐘つきを子供たちに開放することにした。
何の準備もいらない。些細なことの積み重ねが長続きする秘訣!
今では孫ができ、鐘つきにやって来るお兄ちゃん、お姉ちゃん達にきょうだいのように可愛がってもらえる。
最初から子供にお経を教えるなどの上から目線では敬遠される。
入り口は低く、毎日でもお寺で遊びたい、居心地のいい楽しい寺、子供の居場所でありたい。

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